#2013 マッチングアプリで結婚相手を探す女性に性的暴行…会社員の男(49)に懲役10年求刑。妻子があるのに偽ってアプリに登録。反抗を困難にした状態で性交、強制性交等傷害の罪。2023.12.15.

#2013 マッチングアプリで結婚相手を探す女性に性的暴行…会社員の男(49)に懲役10年求刑。妻子があるのに偽ってアプリに登録。反抗を困難にした状態で性交、強制性交等傷害の罪。2023.12.15.

マッチングアプリで結婚相手を探す女性に性的暴行…会社員の男に懲役10年求刑 妻子があるのに偽ってアプリに登録

12/12(火) 21:08配信

チューリップテレビ

11月22日の「いい夫婦の日」にちなんで、明治安田生命が行ったアンケート調査によれば、1年以内に結婚した夫婦の出会いのきっかけは「マッチングアプリ」と「職場での出会い」がともに25%で同率トップとなったそうです。4人に1人がマッチングアプリで結婚する時代なのです。 婚活でマッチングアプリを利用した人の動機は「手軽に出会えるから」「職場に出会いがないから」がトップで、次いで「好みの相手を選ぶことができるから」。身近な出会いがない人が、手軽に好みの相手を選べることが、マッチングアプリの人気の理由になっているのです。 一方、マッチングアプリが事件になることもあります。富山県ではマッチングアプリで結婚相手を探していた女性に対し、会社員の男が、2回目に会った後に性的暴行をする事件がありました。 被告の会社員の男の裁判員裁判で、検察側は男に懲役10年を求刑しました。妻子があったのに離婚歴があると偽り、マッチングアプリを利用して女性に近づいた男、裁判で浮かび上がる事件の全容は…。 強制性交等傷害の罪に問われているのは、富山市の会社員・森田崇志被告(47)です。 森田被告と被害に遭った女性は去年12月末にマッチングアプリで知り合いました。そしてことし1月、富山県内にある飲食店を訪れます。 ■被害女性は「私がどれだけ怖かったか…」 森田被告と女性は、2軒をはしごした後、3軒目の店に移動する途中、ラブホテルの前を通った際に、森田被告は女性をホテルに連れ込もうとします。 検察側によれば、女性は森田被告の誘いを明確に拒絶したといいます。 その後、3軒目の店に立ち寄り、店を出た後に事件は起きました。 起訴状などによりますと、森田被告はことし1月、富山県高岡市内の駐車場で、マッチングアプリで出会った女性に対し暴行を加え、反抗を困難にした状態で性交し、けがをさせたとされています。 これまでの裁判では強制性交等傷害について争いはなく、被告の“量刑”が争点となっていました。

森田被告は、坊主頭、上下黒のスーツ姿で法廷に現れました。 裁判の冒頭、被害に遭った女性の心情が法廷で読み上げられます。 被害に遭った女性の心情:「被害に遭った後、これまでと違う自分につらい思いをし、生きるのがやっとだった。私がどれだけ怖かったか知ってほしい。襲われたとき、被告の力の強さに何もできなかった。必死に抵抗したが逃げられなかった。怖くて怖くて仕方なかった。もうどうなってしまうのか、はやく終わってほしい、ただそれだけでした」 ■1日2時間しか寝られず体重が6キロ減った 森田被告は犯行時、妻子がいたにも関わらず、離婚歴があるなどと偽って、マッチングアプリで女性と接触していました。「不倫をする相手を見つける目的で」マッチングアプリを利用していたといいます。一方、女性は独身で、結婚相手を探すためにマッチングアプリを利用していました。女性は事件後、全治不明のPTSD=心的外傷後ストレス障害を発症し、人がいるところに行けなくなったといいます。公衆トイレも知人がいっしょでないと行けないそうです。 被害に遭った女性の心情:「毎週通院している。20年近く働いた職場も出社できなくなり、人生の生きがいだった仕事ができなくなった。1日2時間ほどしか寝られず、事件後に体重が6キロ減った。毎日先が見えない不安におそわれている」 続いて検察側の論告が行われました。 検察側は森田被告の犯行について「卑劣かつ危険で悪質な犯行である」と指摘しました。 ■検察側「やめてと声に出したのに一切無視した」 女性がラブホテルに連れ込まれるのを明確に拒絶していたことや、犯行時に「やめて」「放して」と繰り返し声に出していたにも関わらず、一切無視して犯行に及んだと主張。 そのうえで、屋外で強制性交に及んだことで、「被害者の性的自由、羞恥心などを無視した欲望の赴くままの犯行。人を人だと思わない人格態度が如実に表れており、きわめて強い非難に値する」としました。

さらに、被告が犯行時、力の差など男女間の体格差を利用したとも主張。 男女の体格差・体力差を悪用し、被害者は何度も抵抗するも振り払うことができなかったといい、「くわえられた暴行は強度で、身体を害する危険性があった」としています。 検察側は、森田被告と女性が会ったのは事件当日が2回目だったことを明らかにしました。 そのうえで、「もともと性交のみを目的として女性を誘い出し、それで暴力を実現した犯行だ」とし、動機について「自己の性欲を満たすためで、女性の気持ちを無視した動機に酌量の余地なし」として、懲役10年を求刑しました。 続いて行われた弁護側の弁論です。 ■弁護側「被告は女性の苦しみを知り罪に向き合っている」 弁護側は、「被害者供述に基づいた検察側の主張は不合理な点が多い」と指摘しました。 当時の被害者の飲酒量や時間が経っていることなどから“被害者の記憶が変遷している可能性がある”といい、「不確かな事実に基づいて重い刑罰が科されることはあってはならない」としました。 また、森田被告の再犯の可能性については、前科前歴がないことや、マッチングアプリは不倫相手を探すためで、姦淫目的ではないと主張しました。 森田被告は逮捕時、容疑を否認していましたが、被害に遭った女性の苦しみを知って罪に向き合うことにして、真摯に反省しているとしました。謝罪文を書き、被害弁償として300万円を用意したともいいます。 弁護側はこうした内容にふさわしい量刑にしてほしいとして、懲役4年を主張しました。 森田被告は裁判長から最後に何か言うことはないか尋ねられると… ■被告は妻に対し…被害女性は「私の人生返して」 森田被告:「これまでの尋問ですでに受け答えは済んでいる。あとは静かに判決を待たせていただく。深く反省しています。誠に申し訳ございません。しかし、路上で抱きついてキスをしたり、羽交い絞めにして駐車場に引きずり込むなどはしていません」と犯行内容の一部を否定しました。

森田被告:「妻に遠くの刑務所になるかもしれないと伝えると、妻が後々近くに引っ越してくれるとまで伝えてくれた。妻に対して、これから一生、妻のみを愛して生きていくことを誓う。刑務期間を真剣に務め上げ、社会に復帰した後は、もう一度会社の門を叩かせていただく。真剣に働いていく。私のした愚かな行為で、女性を傷つけたこと、反省しており、深く謝罪いたします。申し訳ございませんでした」 被害に遭った女性の被告の量刑についての考えが法廷で代読されました。 被害にあった女性の心情:「自分の性欲のために力の差を利用して無理やり性交した。被告は自分の行為がなぜレイプなのか分かっていないと思う。そんな被告が社会に出てくるのは怖い。出てきてはいけないと思う。私の人生、この1年を返してください。懲役数年など短い刑期は納得できません。法で出来る限りの厳罰に処してください」 判決は今月13日に言い渡されます。